ごほうび。

なんでもそうだけれど、何かを練習したりして、その結果がエスカレーター式に順調に出てくることってない。


勉強でも、お仕事でも、なんでも。

わたしは昨年12月にハープの体験レッスンに行って、2月から教室に通い始めたのだけれど、

楽譜を前にして、

練習しても練習しても、うまくならない期間がしばらく続く。

下手すると昨日より弾けない、ってときもあって。

もう一度、もう一度だけ、って延々弾き続けても、

どんなに「ここが!」って願いながら弾いても。

毎回同じところで指が転ぶ。

そんなことが続くと、

「できると思ったのになー、なんでできないんだろうな」って落ち込んだりして。


それでもむーむー唸ってやってると、突然、ぽん、と飛ぶタイミングがやってくる。

それは絶妙なタイミングで。

全然うまくならないなぁ、しんどいなぁ、向いてないのかなぁって、腐ってくる頃。


「はい、ここまでよくやったね!」


って感じで、それまで全然出なかった音が出るようになる。

動かなかった指が急になめらかに動くようになる。

それは本当に、「飛ぶ」という感覚。


それまでは出なかった音を指が自然に紡いでいて、自分でも感動する。

「あぁ、この音出したかったー。きれいだなー。もう一度聴こう!」って弾く。

そうすると、やっぱりきれいな音が出る。

嬉しくて夢中でやってたら、気づかないうちにまた、次の壁の前で足踏みしていることに気づくことになるのだけれど。


そして、それを知っているから、飛べるっていうのもある。

もう全然だめだよーって腐っているときにも、こうやって腐りながらもやってたら、

ある日突然抜けるって知ってるから。

ごほうびみたいに。

よくやったね、って。


頑張った自分からの、ごほうび。


そして、それは自分を信頼したごほうびなんだと思う。

できるようになろう、できるはずだから、って思って、壁の前で延々足踏みしてると、

ちゃんと脚力はついてくる。

そして、あるとき、足がぽん、と壁を飛び越えてくれる。


やりたいことがあって、

それをやるための練習があって、

その練習のなかに壁がいくつもあって、

それを超えていかなければいけないことをわかっていて。

壁の手前がいちいちしんどいこともわかっていて。

でもそんなプロセスが実は嫌いではないんです。

だって、嬉しい。飛べた瞬間って、本当に気持ちがいいんだもの。



今日はそんなことをつらつら思っていた15秒の間に、見事にお鍋が吹きこぼれました。



ハープ楽しい♪♪♪


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